訳あり王子の守護聖女
柄に青い魔石が象嵌された美しい意匠の剣だ。
魔力を帯びている証拠に、抜き身の刃は仄かに青く発光していた。
「大丈夫か?」
油断なく剣を握り、魔物を見つめたまま、ルカ様が私に声をかけた。
切断面から緑の体液を垂れ流しながらも、魔物は多数の足を動かし続けている。
恐ろしい生命力だ。
「は、はい。ありがとうございます……」
急な出来事に心臓がバクバク鳴っている。
もしもルカ様がいなかったらどうなっていたことか――想像だけで寒気がする。
いまさらながら足が震え、私は両手を強く握った。
「やっと死んだか」
ルカ様は剣を収め、それから青ざめて震えている私に気づいた。
少し考えるような顔をした後、私の手をそっとその手で包む。
「え、……あの」
「震えが止まるまで」
意外なほど優しい声で言われて、私は緊張を解いた。
私はルカ様の守護聖女であって、本来ルカ様を守るべき立場だというのに、全く情けない話だ。
でも、いまは彼の優しさに縋っていたくて、私は彼の手を握り返した。
魔力を帯びている証拠に、抜き身の刃は仄かに青く発光していた。
「大丈夫か?」
油断なく剣を握り、魔物を見つめたまま、ルカ様が私に声をかけた。
切断面から緑の体液を垂れ流しながらも、魔物は多数の足を動かし続けている。
恐ろしい生命力だ。
「は、はい。ありがとうございます……」
急な出来事に心臓がバクバク鳴っている。
もしもルカ様がいなかったらどうなっていたことか――想像だけで寒気がする。
いまさらながら足が震え、私は両手を強く握った。
「やっと死んだか」
ルカ様は剣を収め、それから青ざめて震えている私に気づいた。
少し考えるような顔をした後、私の手をそっとその手で包む。
「え、……あの」
「震えが止まるまで」
意外なほど優しい声で言われて、私は緊張を解いた。
私はルカ様の守護聖女であって、本来ルカ様を守るべき立場だというのに、全く情けない話だ。
でも、いまは彼の優しさに縋っていたくて、私は彼の手を握り返した。