美男子戦隊イケメンジャー!(上)

 「あはははははっ!!」
 「ははははっ!!」


 リビングから2人の笑い声が聞こえる。これは確実に仕組まれた計画的犯行に違いない。

 ムカついた私はお皿とフォークをシンクの上に置いて、小麦粉塗れのまま2人の前に飛び出した。

 私の姿を目に捉えたアヤトとナオはお腹を抱えて、さっきよりさらにヒートアップして笑い続ける。


 「ふふっ……」

 2人があまりにも笑う所為で私も釣られてちょっと笑ってしまった。

 って、ダメダメっ!笑っている場合じゃないっ!

 「誰がやったの?」

 カーペットの上に寝転がるナオを仁王立ちで睨む。正直に言いなさいってショウのママみたいに。


 「憲法、第38条。何人も、自己に不利益な供述を強要されない」
 「はい?」
 「……黙秘権」


 この男は……。六法全書を読むのが趣味で変人なナオは何かにつけて法律を口に出す。難しすぎてたまに頭が混乱しちゃうし。

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