美男子戦隊イケメンジャー!(上)

*本当は好きなの?*



 

 お風呂から上がって晩ご飯も食べて、夜にしっかり今日のことを怒られて。今は自分の部屋の中。大変だった……。


 あの後、ママは小麦粉塗れの私を見て暫く呆然と立ち尽くしてた。しかもキッチン+リビングまで小麦粉塗れだったからママは更に混乱して。自分の置いた場所が悪かった所為だと勘違いして必死に謝られた。


 さすがにアヤトとナオも悪いと思ったのか、自分たちが悪戯をしたと正直に白状。やっぱり共犯だったしっ。


 もう。私まで怒られちゃったよ。パパは笑ってたけど……。


 「ね、ナオ。聞いてる?もうあんな悪戯、絶対にしないでよねっ」

 「うん」


 白いフリルがついた乙女チックな布団カバーのベッドの上。私のお気に入りの少女漫画を読みながら、ナオはこちらを一切見ることなく適当に頷く。



 全然反省してなさそう……。きっと何度注意をしたって懲りることなく何度もやり続ける。昔からそうだもん。


 「もういいや。それよりナオ、今日はお泊まりしていくの?」


 内心ワクワクしながらナオの顔を覗き込む。“イトコ関係”な私とナオ。ナオは子供の頃から1ヶ月に1回くらいの頻度で私の家に泊まっていく。理由はいつも一緒。


 帰るのが面倒だからじゃない。大人な関係だからじゃない。一緒に居たいからじゃない。


 「この漫画、今日中に読み切るつもりだから」


 漫画を読みたいから。気になるところで読むのを中断するのが嫌だから、という理由でナオはいつも私の家に泊まる。
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