美男子戦隊イケメンジャー!(上)
 「ご、ごめん……」
 「うん」
 「……怒ってる?」
 「怒った」


 しつこく聞く私に呆れ果てたのか……。ナオは小さくため息をつくと、漫画を閉じてベッドの上にポイと投げ捨てた。


 「邪魔だった?」
 「かなり邪魔だった」


 不機嫌そうにそう言って、ナオベッドに寝転がって鬱陶しそうに私を見つめてきた。

 強い眼差しにギクッと体が強張る。


 やばい……。このままじゃ帰っちゃう。
 ナオが私の家に泊まったとき限定の“お楽しみ”があるのに。


 「……ごめんね?」


 慌ててナオの服を掴んで涙目で謝ってみた。

 “男の子は涙に弱い”

 乙女マジック、パート2。ふふっ。


 「……」


 ニコニコ笑いながらナオの返事を待つ。

 でも、ナオは何の反応も返すことはなく、口を閉じたままスッと奥二重の目を細めて私を見つめてきた。

 うっ。嘘泣きってバレちゃったかな?



「ナオ……?」


恐る恐る名前を呼んでみる。

もしかして、詐欺とか言うつもりだったりして……?
心配になってきた。



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