転生聖職者の楽しい過ごし方
第75話 萌芽
「マルゲリット、父上だぞ。元気にしてたか?ん?少し大きくなったか?」
「朝から夜までの間で、そんなに成長しませんよ。」
「マルゲリット様は今日も良くお乳を飲んで、良く眠っておいででございました。」
里桜とレオナールの初めての子はロベールの育ての親でもある王女から名前をもらい、マルゲリットと名付けられた。
「マルゲリットは何て可愛いのか。この小さな鼻が、リオとそっくりで可愛らしい。」
「陛下。低い鼻は私のコンプレックスです。本当に似ていますか?まさか、娘に遺伝するなんて。」
里桜はレオナールに抱かれているマルゲリットの顔を心配そうに覗き込む。
「リオのその鼻が全体的に優しく柔らかい顔立ちにしているのだから悪いことではない。俺はリオのその鼻が好きだぞ。」
レオナールはマルゲリットを乳母のアネットにそっと託す。
「四月二十七日にマルゲリットの五十日の祝宴をする。」
「当日、マルゲリットはお留守番でございましたね。」
「あぁ。満一歳がお披露目となっているから、それまではマルゲリット不在の祝宴になる。」
「分かりました。」
レオナールは‘さぁ’と言って立ち上がり、里桜に向って手を差し出した。
「私たちも夕食を食べるとしよう。アネット、マルゲリットを頼む。」
「はい。陛下。」
∴∵
「王妃、これは私からの祝いの品です。」
アデライトが合図をすると、侍従は見るからに貴重な物が入っていそうな木箱を持ってきた。
「マルゲリットのお披露目式用のガウンです。シルヴェストルやレオナールも着た、王室に受け継がれているガウンで、歴代の王妃に引き継がれている物です。大切になさいね。」
「王太后陛下、大変貴重なお品物をありがとうございます。」
里桜は、マルゲリットを抱いたままアデライトの隣に席を移った。
「王太后陛下、ぜひマルゲリットを抱いて下さい。」
里桜がマルゲリットを差し出すと、アデライトは慎重にマルゲリットを抱いた。マルゲリットはぐっすりと眠っている。
レオナールからは、無理して王太后に会う必要はないと言われていた。でも、会うなとも言われていない。自分が無理していなければ、会っても良いと言うことだと里桜は解釈していた。
そして今、優しい顔つきでマルゲリットを抱いているアデライトの顔を見ると、これからもマルゲリットが成長していく姿をアデライトに見せてあげたいと思った。
「王太后陛下、彼女はマルゲリットの乳母のアネットでございます。ヴァロア家で侍女をしておりましたが、同じ頃に子供が出来ましたので、乳母としてこちらに来てもらいました。」
「そう。王女をよろしく頼みますよ。」
「はい。王太后陛下、誠意をもって王女様にお仕えいたします。」
アデライトは満足そうに頷く。
「よろしければ王太后陛下のお時間があるときに、ぜひマルゲリットに会いに来て下さいませんか。マルゲリットも喜ぶと思います。」
「それは、レオナールが嫌がるでしょう。」
「私や、マルゲリットは嬉しいのですから、陛下はお気になさらずに孫の顔を見にいらして下さいませ。」
里桜の笑顔にアデライトは少しため息を吐いた。
「王妃は、そんなことを気にせず、男子を産むことだけを考えなさい。良いですね。…しかし、今は時間のある時も多いので、そのような時にはマルゲリットの顔を見に行くとしましょう。」
「はい。王太后陛下。」
里桜は満面の笑みをアデライトへ向けた。
「朝から夜までの間で、そんなに成長しませんよ。」
「マルゲリット様は今日も良くお乳を飲んで、良く眠っておいででございました。」
里桜とレオナールの初めての子はロベールの育ての親でもある王女から名前をもらい、マルゲリットと名付けられた。
「マルゲリットは何て可愛いのか。この小さな鼻が、リオとそっくりで可愛らしい。」
「陛下。低い鼻は私のコンプレックスです。本当に似ていますか?まさか、娘に遺伝するなんて。」
里桜はレオナールに抱かれているマルゲリットの顔を心配そうに覗き込む。
「リオのその鼻が全体的に優しく柔らかい顔立ちにしているのだから悪いことではない。俺はリオのその鼻が好きだぞ。」
レオナールはマルゲリットを乳母のアネットにそっと託す。
「四月二十七日にマルゲリットの五十日の祝宴をする。」
「当日、マルゲリットはお留守番でございましたね。」
「あぁ。満一歳がお披露目となっているから、それまではマルゲリット不在の祝宴になる。」
「分かりました。」
レオナールは‘さぁ’と言って立ち上がり、里桜に向って手を差し出した。
「私たちも夕食を食べるとしよう。アネット、マルゲリットを頼む。」
「はい。陛下。」
∴∵
「王妃、これは私からの祝いの品です。」
アデライトが合図をすると、侍従は見るからに貴重な物が入っていそうな木箱を持ってきた。
「マルゲリットのお披露目式用のガウンです。シルヴェストルやレオナールも着た、王室に受け継がれているガウンで、歴代の王妃に引き継がれている物です。大切になさいね。」
「王太后陛下、大変貴重なお品物をありがとうございます。」
里桜は、マルゲリットを抱いたままアデライトの隣に席を移った。
「王太后陛下、ぜひマルゲリットを抱いて下さい。」
里桜がマルゲリットを差し出すと、アデライトは慎重にマルゲリットを抱いた。マルゲリットはぐっすりと眠っている。
レオナールからは、無理して王太后に会う必要はないと言われていた。でも、会うなとも言われていない。自分が無理していなければ、会っても良いと言うことだと里桜は解釈していた。
そして今、優しい顔つきでマルゲリットを抱いているアデライトの顔を見ると、これからもマルゲリットが成長していく姿をアデライトに見せてあげたいと思った。
「王太后陛下、彼女はマルゲリットの乳母のアネットでございます。ヴァロア家で侍女をしておりましたが、同じ頃に子供が出来ましたので、乳母としてこちらに来てもらいました。」
「そう。王女をよろしく頼みますよ。」
「はい。王太后陛下、誠意をもって王女様にお仕えいたします。」
アデライトは満足そうに頷く。
「よろしければ王太后陛下のお時間があるときに、ぜひマルゲリットに会いに来て下さいませんか。マルゲリットも喜ぶと思います。」
「それは、レオナールが嫌がるでしょう。」
「私や、マルゲリットは嬉しいのですから、陛下はお気になさらずに孫の顔を見にいらして下さいませ。」
里桜の笑顔にアデライトは少しため息を吐いた。
「王妃は、そんなことを気にせず、男子を産むことだけを考えなさい。良いですね。…しかし、今は時間のある時も多いので、そのような時にはマルゲリットの顔を見に行くとしましょう。」
「はい。王太后陛下。」
里桜は満面の笑みをアデライトへ向けた。