転生聖職者の楽しい過ごし方
第31話 魔獣討伐 ①
二十キロの距離は空を飛ぶとあっという間で、王宮をルシアンと飛び立ってからすぐに山火事の煙が目視できる様になっていた。
「大丈夫か?」
隣で飛ぶルシアンは無愛想に話しかけた。
「大丈夫です。気性が荒いって言っていましたけど、そんなことないみたい。とても乗り心地良くて良い子です。」
「何か策があるのか?」
「策と言うか…エイスクルプチュルは太古に北の国で氷の彫刻に魔力を込めて戦わせたものが原始だと書かれていましたよね?」
「あぁ。それがいつの頃か野生化し魔獣になったと書いてあったはずだが…。」
「それならば、今も体は氷で出来ているって事ですよね?」
声は発さず、一度だけこくりと頷いた。
「だとすれば、良い方法があるかも知れません。」
話しているうちに、陣営としているテントが視界に入ってきた。ルシアンは天馬を下降させ、里桜もそれに続き、天馬を下降させた。
∴∵
二人がテントへ入ると、視察に出ていたロベールとシドも既に駆けつけていた。
「ルシアン。護衛は解任になったのか。お前が来てくれれば心強い。それにリオ様まで。」
「消火の水を真水から海水に替えてもらえる様にお願いしていたんですが…。」
里桜のその問いには騎士服を着た男性が答える。
「はい。宰相からの指示で海水に変更したところ、真水よりも凍りにくく、消火のスピードは上がりましたが已然鎮火には至っていません。」
地図を指さし、
「ここに何頭かのエイスクルプチュルがいるのですが、風向きが悪く、煙で視界が遮られてしまっています。風上に行くには海上に出ないといけませんが、軍の船はすぐには出せません。」
「それならば、ヌベール団隊長と私が見てきます。」
里桜がルシアンの方を見ると黙って頷いた。
「どのように?」
ロベールは優しく里桜に問いかけた。
「陛下より天馬をお借りしてここまで来ましたから、空から見てきます。」
「大丈夫か?」
隣で飛ぶルシアンは無愛想に話しかけた。
「大丈夫です。気性が荒いって言っていましたけど、そんなことないみたい。とても乗り心地良くて良い子です。」
「何か策があるのか?」
「策と言うか…エイスクルプチュルは太古に北の国で氷の彫刻に魔力を込めて戦わせたものが原始だと書かれていましたよね?」
「あぁ。それがいつの頃か野生化し魔獣になったと書いてあったはずだが…。」
「それならば、今も体は氷で出来ているって事ですよね?」
声は発さず、一度だけこくりと頷いた。
「だとすれば、良い方法があるかも知れません。」
話しているうちに、陣営としているテントが視界に入ってきた。ルシアンは天馬を下降させ、里桜もそれに続き、天馬を下降させた。
∴∵
二人がテントへ入ると、視察に出ていたロベールとシドも既に駆けつけていた。
「ルシアン。護衛は解任になったのか。お前が来てくれれば心強い。それにリオ様まで。」
「消火の水を真水から海水に替えてもらえる様にお願いしていたんですが…。」
里桜のその問いには騎士服を着た男性が答える。
「はい。宰相からの指示で海水に変更したところ、真水よりも凍りにくく、消火のスピードは上がりましたが已然鎮火には至っていません。」
地図を指さし、
「ここに何頭かのエイスクルプチュルがいるのですが、風向きが悪く、煙で視界が遮られてしまっています。風上に行くには海上に出ないといけませんが、軍の船はすぐには出せません。」
「それならば、ヌベール団隊長と私が見てきます。」
里桜がルシアンの方を見ると黙って頷いた。
「どのように?」
ロベールは優しく里桜に問いかけた。
「陛下より天馬をお借りしてここまで来ましたから、空から見てきます。」