転生聖職者の楽しい過ごし方
第32話 利子
私が馬車を降りてから雄叫びの様な鳴き声の方に進むと深い森の中、氷で出来た彫刻の怪獣がいた。
これなら、火を出して溶かしてしまえば簡単に退治できるじゃない。ここにいるのは騎士と言っても私より格段に魔力が弱い。体長が何メートルもある怪獣をこの人たちの火の魔術では倒せないからこんな大げさな事になってるのね。
「救世主様、ここは危険ですから、馬車にお戻りになって下さい。」
声をかけてきたのは、私の護衛をしている第一団隊の人だった。
「私は大丈夫です。みなさんがお困りだと、アルバート尊者から聞きました。」
「ここには暴れているエイスクルプチュルが数頭おります。危ないので…」
「前回の討伐の際は、魔道具を作るだけでしたが、今回は直接的に皆様のお力になりたいと思ってアルバート様にお願いして罷り越しました。私にお任せ下さい。」
一気に体の中の魔力を手に集めて…想像する。そして唱える
「・・・ ・・・」
「っなんと言う…やめろっ。」
私の両手から出された炎はぶわっと広がり一直線に氷像の怪獣へと向った。怪獣の頭は解けて倒れた。ほらね。私だったら一発でしょ?
広がった炎は周りの木々も焼き、その炎は広がる。これで、氷像の怪獣も溶けて死んじゃうんじゃない?あとは、山火事を消せば…そう思った時、倒れてた氷像の怪獣は再び起き上がった。私が溶かしたはずの頭もきちんと付いてる…なんで?…怪獣は再び起きると翼をはためかせその突風は木々に移った炎を大きくする。
「大丈夫です。もう一度、あの怪獣を倒します。」
「やめろっ。」
私は気がつくと騎士に抱えられ、テントの中に連れてこられていた。
「山火事が起こった。消火隊を要請する。エヴラール、エイスクルプチュルが暴れているその突風で山火事が急激に広がっている。このテントも危なくなるここを移るぞ。」
騎士たちの緊張した声がテントに響き、私はそこで意識を失った。
∴∵
目が覚めると、そこはいつものベッドの上…ではなかった。サイドテーブルのベルを鳴らすと見覚えのない侍女が現れた。
「トシコ様、お目覚めですか?白湯をお持ちしましょうか?」
「リンデルはどこなの?」
「暇を頂いています。」
「私はリンデルに暇なんてやっていないわ。」
「陛下のご指示です。しばらくは私、アナスタシアがお世話を致します。」
「白湯なんていらない。ワインを頂戴。今は気分が良いの。マクロン商会からもらった物があるでしょう?あなたもお祝いだし、一緒に飲ませてあげる。侍女じゃ良いワインなんて飲んだことないでしょ?」
「こちらには持ってきておりません。それに、半日ほどお眠りになっておりましたので、お酒より白湯やお茶の方がよろしいと思いますが。」
「うるさい。」
私が放った枕は侍女には届かず、床に落ちた。
「もういい。あんたのせいで気分が悪くなった。もう放っておいて。」
これなら、火を出して溶かしてしまえば簡単に退治できるじゃない。ここにいるのは騎士と言っても私より格段に魔力が弱い。体長が何メートルもある怪獣をこの人たちの火の魔術では倒せないからこんな大げさな事になってるのね。
「救世主様、ここは危険ですから、馬車にお戻りになって下さい。」
声をかけてきたのは、私の護衛をしている第一団隊の人だった。
「私は大丈夫です。みなさんがお困りだと、アルバート尊者から聞きました。」
「ここには暴れているエイスクルプチュルが数頭おります。危ないので…」
「前回の討伐の際は、魔道具を作るだけでしたが、今回は直接的に皆様のお力になりたいと思ってアルバート様にお願いして罷り越しました。私にお任せ下さい。」
一気に体の中の魔力を手に集めて…想像する。そして唱える
「・・・ ・・・」
「っなんと言う…やめろっ。」
私の両手から出された炎はぶわっと広がり一直線に氷像の怪獣へと向った。怪獣の頭は解けて倒れた。ほらね。私だったら一発でしょ?
広がった炎は周りの木々も焼き、その炎は広がる。これで、氷像の怪獣も溶けて死んじゃうんじゃない?あとは、山火事を消せば…そう思った時、倒れてた氷像の怪獣は再び起き上がった。私が溶かしたはずの頭もきちんと付いてる…なんで?…怪獣は再び起きると翼をはためかせその突風は木々に移った炎を大きくする。
「大丈夫です。もう一度、あの怪獣を倒します。」
「やめろっ。」
私は気がつくと騎士に抱えられ、テントの中に連れてこられていた。
「山火事が起こった。消火隊を要請する。エヴラール、エイスクルプチュルが暴れているその突風で山火事が急激に広がっている。このテントも危なくなるここを移るぞ。」
騎士たちの緊張した声がテントに響き、私はそこで意識を失った。
∴∵
目が覚めると、そこはいつものベッドの上…ではなかった。サイドテーブルのベルを鳴らすと見覚えのない侍女が現れた。
「トシコ様、お目覚めですか?白湯をお持ちしましょうか?」
「リンデルはどこなの?」
「暇を頂いています。」
「私はリンデルに暇なんてやっていないわ。」
「陛下のご指示です。しばらくは私、アナスタシアがお世話を致します。」
「白湯なんていらない。ワインを頂戴。今は気分が良いの。マクロン商会からもらった物があるでしょう?あなたもお祝いだし、一緒に飲ませてあげる。侍女じゃ良いワインなんて飲んだことないでしょ?」
「こちらには持ってきておりません。それに、半日ほどお眠りになっておりましたので、お酒より白湯やお茶の方がよろしいと思いますが。」
「うるさい。」
私が放った枕は侍女には届かず、床に落ちた。
「もういい。あんたのせいで気分が悪くなった。もう放っておいて。」