シリアル・ホラー
今は午後で本来は明るい太陽が照っている時間帯なのだが、昼前から降り始めた雪は徐々に強くなってきていた。あたりは灯りが必要なくらい暗くなっている。僕は山道を注意しながら登っていった。
「ふう」
学校の裏山は神社になっていて、入り口には赤茶けた鳥居が立っていた。僕は鳥居をくぐると参道を進み、本堂の前に出た。何の感慨もなく建物を見上げ、そのまま横を回り込んで裏手へと出た。
落ち葉が深く降り積もっていて、一歩踏み出すたびにカサカサと乾いた音を立てる。薄く降り積もった雪が溶けると、黒い腐葉土は僕の足下を汚すようになってきた。
5分ほど道なき道を進むと、視界が一気に開けた。目の前には海と瓦礫の町並み。轟く波頭が白く砕けているのが見え、強風が僕の前髪を揺らせた。
「飛び込むつもりか?」
不意に声をかけられ、横を見た。切り立った崖の端に、ジャージを着た少年が一人立っていた。
「ヨウジ」
友人のヨウジだ。同じクラスでバスケットボール部。それほど仲良くはないが、時折バカ話で盛り上がることはある。なぜここにいるんだ?
「お前、飛び込むつもりなんだろう?」
「飛び込まないよ」
「嘘吐け」
ヨウジは崖から身を乗り出すようにして、下を覗き込んだ。
「ふう」
学校の裏山は神社になっていて、入り口には赤茶けた鳥居が立っていた。僕は鳥居をくぐると参道を進み、本堂の前に出た。何の感慨もなく建物を見上げ、そのまま横を回り込んで裏手へと出た。
落ち葉が深く降り積もっていて、一歩踏み出すたびにカサカサと乾いた音を立てる。薄く降り積もった雪が溶けると、黒い腐葉土は僕の足下を汚すようになってきた。
5分ほど道なき道を進むと、視界が一気に開けた。目の前には海と瓦礫の町並み。轟く波頭が白く砕けているのが見え、強風が僕の前髪を揺らせた。
「飛び込むつもりか?」
不意に声をかけられ、横を見た。切り立った崖の端に、ジャージを着た少年が一人立っていた。
「ヨウジ」
友人のヨウジだ。同じクラスでバスケットボール部。それほど仲良くはないが、時折バカ話で盛り上がることはある。なぜここにいるんだ?
「お前、飛び込むつもりなんだろう?」
「飛び込まないよ」
「嘘吐け」
ヨウジは崖から身を乗り出すようにして、下を覗き込んだ。