シリアル・ホラー
「……」
カーテンの向こうが明るく、街のざわめきが聞こえる。階下からは朝の情報番組なのか女性アナウンサーの明るい声が聞こえる。ボクは重い頭をなんとか持ち上げて、もぞもぞと制服に着替えた。
きっと学校ではすごい噂になってるだろうな。もちろん南先生の死体が見つかったのがボクの家だなんて報道されてはいないけど、地元では間違いなくみんな知っていることだ。
質問攻めにされるだろうか。殺したのはボクなのかと、責められるだろうか。正直、登校したくない。でも家にいて、またあんなことがあったら嫌だ。
死体が降ってくる家だなんて。あれは間違いなく妄想ではない。実際にあったことなんだ。妄想が現実になる。本当にそんなことがありえるんだろうか。
階下に降りてリビングのドアを開ける。そこにはいつもの朝の光景が――
「うっ……」
広がってはいなかった。
父と母がリビングで死んでいた。
父は首を切断され、転がった生首はテーブルの上で身体とは全然違う方向を向いている。母は腹を切り裂かれ、ピンク色の内臓が床に流れ出していた。二人とも恐怖に目が見開かれ、苦痛と恨みが血液と内臓の臭いとともに室内に充満していた。
「うげええっ」
ボクはその場に吐いた。吐くものなんてなにもないのに、黄色い胃液を吐いた。それでもボクの胃は収縮と痙攣をくり返し、ありもしない中身を押し出そうとする。
「う、うげえええっ」
ボクは自分の吐いた胃液で滑りながら、玄関へ向かった。
カーテンの向こうが明るく、街のざわめきが聞こえる。階下からは朝の情報番組なのか女性アナウンサーの明るい声が聞こえる。ボクは重い頭をなんとか持ち上げて、もぞもぞと制服に着替えた。
きっと学校ではすごい噂になってるだろうな。もちろん南先生の死体が見つかったのがボクの家だなんて報道されてはいないけど、地元では間違いなくみんな知っていることだ。
質問攻めにされるだろうか。殺したのはボクなのかと、責められるだろうか。正直、登校したくない。でも家にいて、またあんなことがあったら嫌だ。
死体が降ってくる家だなんて。あれは間違いなく妄想ではない。実際にあったことなんだ。妄想が現実になる。本当にそんなことがありえるんだろうか。
階下に降りてリビングのドアを開ける。そこにはいつもの朝の光景が――
「うっ……」
広がってはいなかった。
父と母がリビングで死んでいた。
父は首を切断され、転がった生首はテーブルの上で身体とは全然違う方向を向いている。母は腹を切り裂かれ、ピンク色の内臓が床に流れ出していた。二人とも恐怖に目が見開かれ、苦痛と恨みが血液と内臓の臭いとともに室内に充満していた。
「うげええっ」
ボクはその場に吐いた。吐くものなんてなにもないのに、黄色い胃液を吐いた。それでもボクの胃は収縮と痙攣をくり返し、ありもしない中身を押し出そうとする。
「う、うげえええっ」
ボクは自分の吐いた胃液で滑りながら、玄関へ向かった。