シリアル・ホラー
「え……」

 いっしょにテレビを見ていた母親と、小学生の妹も呆然と画面を見つめた。

「これってお兄ちゃんの学校だよね」
「どういうこと? 東山先生って、先生が死んじゃったってこと?」

 妹と母親が聞いて来るが、そんなの僕の方が聞きたい。一体何があったんだ? 僕は慌てて部屋へ戻り、スマホを手に取った。見るとすでに、LINE通知が10件以上入っている。LINEを開くと、吹き出しがどんどん追加された。

『東山死んだ!』
『学校で死んでたってよ』
『事故? 自殺?』
『さっきネットでも見たけど、死因は書いてないな』
『誰か事情知ってやついる?』
『ゆうじが東山に放課後居残りさせられてたから、なんか知ってんじゃね?』
『僕聞いてみるよ』

 まことはそう書くと、画面をタッチしてゆうじの画面を開いた。

『まじウケる』

 前回の最後のコメントが目に入る。昨夜、友人の話題で盛り上がっていた名残がある。僕はすぐにメッセージを打ち始めた。

『東山が死んだってニュース見た』
『なにか知ってるか?』

 しばらく待ったが既読がつかない。僕は待ちきれずに通話ボタンを押した。呼び出しコールが続く。しかしゆうじが電話に出ることはなかった。

「くそっ!」

 僕はベッドに倒れ込む。夕食をほとんど食べてなかったが、もう空腹どころではなかった。

 
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