シリアル・ホラー
「じゃあ、行きたいやつだけで行こうぜ」
「おれ行く!」
「アタシも」
「わたしは行かない。怖いし」
「美里ちゃんはどうする?」
「私は……」
丸夫くんを殴ったり蹴ったりする野村くんたちの姿が、頭の中に浮かんだ。
「行く」
「よし、行こうぜ」
「あ、待って。丸夫くん!」
まりちゃんが走って行く。見ると丸夫くんが丸い背中をさらに丸く丸めて、のそのそと歩いて行くところだった。準備が遅いので、丸夫くんはいつもみんなより行動が遅かった。
「これから何人かで野村くんたちを捜しに辻堂の廃工場に行くんだけど、丸夫くんも行く?」
「ん~? 廃工場ぅ~?」
丸夫くんはぼーっとした顔で空を見ると、ゆっくり首を横に振った。
「い、行ぃ~かぁ~なぁ~い。お、おぉ~腹空いぃ~たしぃ~」
そう言うと丸夫くんは、のそのそと歩いて行ってしまった。まりちゃんは戻って来ると、しょんぼりと俯いた。
「丸夫くん、行かないって」
「仕方ねぇよ。アイツ来たって、のろいから行くまでに時間かかりそうだし」
「う、うん……」
まりちゃんは、小さくなっていく丸夫くんの丸い背中を見つめた。
結局廃工場へ行くのは昌樹くんと佐々木くん、まりちゃんと私の4人になった。
◆ ◆ ◆
予想外に、廃工場に警察はいなかった。入り口は鎖がかかっているけど、跨げば普通に中に入れる。
「おれ行く!」
「アタシも」
「わたしは行かない。怖いし」
「美里ちゃんはどうする?」
「私は……」
丸夫くんを殴ったり蹴ったりする野村くんたちの姿が、頭の中に浮かんだ。
「行く」
「よし、行こうぜ」
「あ、待って。丸夫くん!」
まりちゃんが走って行く。見ると丸夫くんが丸い背中をさらに丸く丸めて、のそのそと歩いて行くところだった。準備が遅いので、丸夫くんはいつもみんなより行動が遅かった。
「これから何人かで野村くんたちを捜しに辻堂の廃工場に行くんだけど、丸夫くんも行く?」
「ん~? 廃工場ぅ~?」
丸夫くんはぼーっとした顔で空を見ると、ゆっくり首を横に振った。
「い、行ぃ~かぁ~なぁ~い。お、おぉ~腹空いぃ~たしぃ~」
そう言うと丸夫くんは、のそのそと歩いて行ってしまった。まりちゃんは戻って来ると、しょんぼりと俯いた。
「丸夫くん、行かないって」
「仕方ねぇよ。アイツ来たって、のろいから行くまでに時間かかりそうだし」
「う、うん……」
まりちゃんは、小さくなっていく丸夫くんの丸い背中を見つめた。
結局廃工場へ行くのは昌樹くんと佐々木くん、まりちゃんと私の4人になった。
◆ ◆ ◆
予想外に、廃工場に警察はいなかった。入り口は鎖がかかっているけど、跨げば普通に中に入れる。