推しにおされて、すすむ恋
「え、そうなの?」

「っていうか、知りすぎてると思う」
「んん……?」


綾瀬くんが、私のお姉ちゃんを「知りすぎてる」?

意外な発言に、ピシッと体が固まる。
意味深な言い方に、ビックリしたっていうか……。

チロリと横を見ると、もう足は平気なのか、綾瀬くんが立ちあがる。


「手当てしてくれありがとう、遅くなってごめんね。帰ろうか」
「う、うん……」


キレイな夕日が沈んでいく。
さっきまでは「キレイ」と思っていたけど……私、いま全然違うことを考えてる。


「小鈴さん?どうかした?」
「え、ううん!なんでもない」


綾瀬くんと私のお姉ちゃんって、どういう関係なんだろう。



✧。*

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