推しにおされて、すすむ恋


「優先順位を決めるのって、難しくてツライことだと思う。それでもあえて順番を決めたステラは、それだけで偉いよ」
「ふふ、私より年下のくせに。カッコイイこと言っちゃって」


ニヒルに笑って、俺を見たかと思えば。
「ありがとう」って、吐息と共に聞こえた感謝の言葉。

まるで涙をこらえるような言い方に、Neo‐Flash結成から今での思い出がよみがえって……少しだけ胸が熱くなる。


「ステラは、グループを卒業するの寂しい?」
「正直……寂しいな。自分で決めて〝何言ってんの〟って感じだけどさ。
ステラは唯一無二のキャラだし、私だけここでリタイアするのが悔しいなって」
「そっか」


結成当時、誰がどんなキャラでいくか、皆で考えたっけ。

ステラは努力家だから、メンバーの誰かが欠席しても自分の立ち位置を変えれるよう、メンバー全員のキャラを頭に叩き込んでいた。

臨機応変に立ち位置を変えるステラに何度も感謝し、何度も尊敬したことを覚えている。


「ステラのキャラが好かれるのは、ステラの努力の賜物だよね」
「そう言われると嬉しいな。後継者にも、好かれる方法を伝授しておくわね」
「え……後継者?誰それ?」

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