推しにおされて、すすむ恋
すきなひと と わたし
玲くんの話を聞き終わった後。
顔を真っ赤にさせた玲くんが、私を見つめた。
もちろん私の顔も、玲くんに負けないくらい真っ赤で――
「急にこんな話をして、驚かせてゴメン。
でも、ゆのが〝メンバーに入る〟って決定する前に、どうしても話しておきたかったんだ」
「……」
「ゆの?」
「え、あ……う、うんっ」
何て言えばいい?
何を返事したらいい?
「(うわぁ、ダメだ。
何も言葉が思い浮かばない!)」
心臓が壊れそう。
だって私……さっき、すごい話を聞いた。
玲くんが私を気にしてくれて、好きになってくれた……なんて。
「(嬉しくて、心臓がはじけそう……っ)」
これ、夢じゃないよね?
「ちなみに夢じゃないから。空想でも想像でもない、昨日、本当にあったことだからね。
ゆのは想像力が豊かで、斜め上のことを考えるって、さっき知ったから。一応、くぎをさしておくね」
「は、はい!」
勢いよく返事をすると、玲くんは少しあっけにとられたけど、すぐ笑ってくれて。
「やっぱり、ゆのは元気が一番だね」って、私の頭を優しく撫でる。