推しにおされて、すすむ恋
「ちょっと待って!撮影ってNeo‐Flashの動画撮影のことだよね?む、むむ無理だよ!」
だって撮影には、ノアもいるってことでしょ⁉
推しと一緒に撮影なんて、ありえないよ!
頭がパニックになる私とは反対に、お姉ちゃんは「ウチの動画を視聴済みで良かった~話が早いよ」と満面の笑みを浮かべる。
「Neo‐Flashの動画を見てるなら、ステラの立ち位置とか、話し方とか分かるよね?」
「そりゃ何となくは……でも見てるだけ、と、実際にやる、は違うよ!」
荷が重いって!と反論すると、お姉ちゃんはコッソリ私に耳打ちする。
「推しのプライベート、興味ないの?」
「ひ……!」
そんな爆弾ワード、卑怯すぎるって!
推しのどんな小さな事にも、興味あるに決まってるじゃん!
「……ん~、でもさぁ」
でも、それってNeo‐Flashの皆を騙してる事になるよね。私とお姉ちゃんが入れ替わる、なんてさ。
Neo‐Flashの皆のプライベートを、私が秘密裏に覗き見してるわけでしょ?
「それはやっぱり、悪い事っていうか……」
「ゆのったら」
お姉ちゃんが、私の頭を優しく撫でる。