推しにおされて、すすむ恋

すると、今まで静かだったノアが一言。


≪ステラ大丈夫?調子悪いんじゃないの?≫


スピーカーから聞こえてくる落ち着いた声に、私の耳が反応する。


「(この声って……)」


どこかで聞いたことあるような……。

って、今日の放課後もNeo‐Flashの動画を見ていたから、そう思うのは当たり前か。聞いたことがあるっていうか、聞いたばかりだもんね!


「だ、だだだ、大丈夫、だよッ」

≪……そっか。ならいいけど≫


ノアの、フッて笑った声が聞こえる。
わぁ……ノアだ。

本物のノアだ!

動画の時とは違う、落ち着いたトーン。
ゆっくりした喋り方。
なんか、すごく安心する。

すると、トントンと肩を叩かれる。
そして、お姉ちゃんからカンペを渡される。


【今日って何を撮るんだっけ?】

「きょ、今日って何を撮るんだっけ?」


一言一句、間違えないように発言する。
するとヤタカが「あ?」と、やや不機嫌な声色で返事をした。


≪今日は撮影じゃなくて打ち合わせって言っただろ。来週に控えたゴールデンウイークで、Neo‐Flashでお泊り合宿するって言っただろ?≫

「へ?お、お泊り合宿?」

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