推しにおされて、すすむ恋
え、聞き間違い?
でも今、完全に「お泊り合宿」って言ったよね?
……って。
お泊り合宿ー⁉
バッと、勢い良くお姉ちゃんを見ると、もぬけの殻。
えぇ!?
こんな状態で私を置いて、どこか行っちゃったの!?
「(さては、はめたな~!)」
生まれた時からの付き合いだから、お姉ちゃんの考えてることは、手に取るように分かる。
お姉ちゃんはお泊り合宿が嫌だから、その間だけ私に代役を任せたんだ!
≪電車で一時間くらいの、リゾートだっけ~?≫
≪リゾートっていうか、コテージ?親戚の別荘らしくて、今回は特別に借りることができた≫
≪へぇ、テンション上がりそう。楽しみだね≫
クスクスと、ノアの笑い声が聞こえる。
わぁ、ずっと聞いていたい笑い声……じゃなくて!
私も何か発言しないと!
「えっと、ごめん。
それって、何日の話……だっけ?」
ステラの言い方を真似して……。
あぁ~、感情も頭も、全部が忙しい!