推しにおされて、すすむ恋


「(ハッ!また一人の世界に入ってた!)」


ステラを演じないとヤバい!と思った時は、どうやら合宿の話に戻っていたらしい。

しかも話をよく聞くと、パソコンを通して顔を見たことはあるけど、実際に会うのは全員、合宿が初めてなんだとか。


≪まぁ四人揃って行動しても目立つと思うし、現地集合でいいか≫
≪なんだかんだ、イラストと似てるもんね~俺ら≫
≪異議なし。ステラは?≫

「い、異議、なし!」


ノアに話を振られ、急いで口を合わせる。
……でも、ちょっと待って。

異議なしって言ったけど……。
合宿ってことは、男子三人女子一人のメンバーでお泊りするってこと!?


「(異議、ありまくりです……!)」


もちろん大声で言えることじゃないので、心の中に閉まっておいた。


その後――
合宿で何をするかとか、誰が何の撮影機材を持って行くかを話し合って、お開きになった。

画面右上にヤタカ、リムチ―の順で「退出しました」とメッセージが届く。


「(……ん?)」


だけど、ノアだけはいつまで経っても退出しなくて……。私は私で退出の仕方が分からないから身動きできず、二人きりになってしまう。

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