推しにおされて、すすむ恋
えっと……何か話した方がいい?
でも、二人きりで話とか出来ないよ。
だって相手は推しだよ!?
むりむり、無理だって!
すると「ステラ」と、ノアの声。
≪右下に〝退出ボタン〟があるから押してね≫
「ありがとう、どうすればいいか分からなかったから助か……あ」
いや、Neo‐Flashのステラともあろう人が「どうすればいいか分からなかった」はないよね。危ない……身バレだめ、絶対!
「わ、わかってるよー。ちょっと考え事してたら、退出するの忘れてて。
でも、ありがとうね。そろそろ出ようかな」
≪……ねぇステラ。
もしかして〝あの事〟で悩んでる?≫
「え?」
あの事?
って、どの事?
なんて答えればいいか分からなくて固まっていると、ノアは「いいや」と。笑った声が、かすかに響く。
≪また話そう。おやすみ、ステラ≫
「お、おやすみ」