推しにおされて、すすむ恋

右上に「ノアが退出しました」とメッセージが出る。

ルームに一人きりになり、やっと息をすることが出来た。


「ハ~。バレてない……よね?」


気付けば、全身汗だく。
お化粧もしちゃったし、もう一度お風呂に入らないと。

自室に戻って、新しい下着を用意する。
その時ノアの声が、もう一度、頭を流れた。


『もしかして、あの事で悩んでる?』


あの事って、なんだろう。
お姉ちゃん、何か悩みがあるのかな?

もしそうなら……お姉ちゃんの悩み事を、どうしてノアは知ってるんだろう?他の二人は、お姉ちゃんを気遣う素振りとか全然なかったし。

もしかして、お姉ちゃんが〝ノアだけ〟に相談した、とか?


「……いや、何を必死に考えてるんだか。やめやめ」


頭をコツンと叩き、正気に戻る。

そして姿を消したお姉ちゃんに「終わったよ」と、大量の汗マークの絵文字と共に、業務終了メッセージを送った。


✧。*

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