推しにおされて、すすむ恋
綾瀬くんは少し照れて、うつむいた。夕日が出ているわけでもないのに、ほんのり赤く耳が染まっている。
「綾瀬くん?」
「ううん、なんでもない」
顔を上げた綾瀬くんの、優しい笑み。
思わず見入ってしまうほど、かっこいい。
「俺はさ、小鈴さんが大事にしてるものを、堂々と話せばいいと思うよ。ノアの新たなファンが増えるかもしれないしね」
「あ……そう言えば、チャンネル登録者10万人を目指すって言ってたような」
「小鈴さんのおかげで登録者が増えたら、すごい貢献だよね」
私が、Neo‐Flashに貢献?
ノアの役に立てる?
確かに……。
それ、すっごくステキだ!
「今度から色んな人に、ノアの話をしてみる!推し仲間を増やしてみる!」
「うん。よろしくね」
ん?よろしく?
気になったけど、授業開始のチャイムが鳴る。
慌てて教室に入った先生が「席につけー」と教壇へ向かった。
座りながら、綾瀬くんにお礼を言う。
「相談に乗ってくれてありがとうね、綾瀬くん」
「元気が出たなら良かった」