推しにおされて、すすむ恋

そして放課後。
バスケ部に行くまーちゃんを見送った後、昨日と同じ帰路につく。

校舎の裏側に行くと、既に綾瀬くんが立っていて。私を見つけると、スマホを持つ手を上げた。


「ごめんね、今日も帰ろうなんて言って」
「ううん。それより、聞きたいことって?」


単刀直入に話に入った私に対し、綾瀬くんはニコリと笑うだけ。

ん?
どうしたんだろう?

疑問を覚えていると、綾瀬くんは意味ありげに目を細める。


「帰りながら話そうか、仮ステラちゃん」
「うん!……んむぅ!?」


ピシッと石像のように固まった私を見て、綾瀬くんは「図星だね」と。仮定を、確信に変えた。

なんで、どうして。
どこで、どうやってバレた!?

頭の中がグルグル回って、何をどう返事したらいいか分からない!

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