推しにおされて、すすむ恋

「私は仮ステラじゃないよ」って誤魔化す?
でも綾瀬くんに、ウソをつくことになるよね。

じゃあ「そうだよ」って肯定する?
でも、早速バレてもいいのかな?
お姉ちゃんに怒られそう……!


「(う~、何て返事すればいいのー!?)」


バクンバクン、と激しく脈打つ心臓。血管の中を、すごい勢いで、血が回っているのが分かる。


「もし小鈴さんが仮ステラなら……俺は嬉しいかも」
「え?」

「ってわけで、はい。家に着いたよ」
「えぇ!?」


見上げると、目の前に私の家があった。

え、まさか私……。
帰り道の間、ずっと悩んでいたの!?


「ごめん綾瀬くん。私ったら、一言も話さないままで」
「いいよ。百面相してる小鈴さん、見てて飽きなかったし」


私、そんな変な顔になってた!?
しかも綾瀬くんに全部見られていたなんて、恥ずかしい!

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