推しにおされて、すすむ恋
≪ステラは、最近大人しい系キャラに方向転換したんだよね?≫
≪え、マジ?そういう事は早く言えよ。グループのパワーバランスがあるだろうが≫
「き、期間限定のイメチェンだから。すぐ元のキャラに戻るよ?」
≪ったくステラは、ノアにだけ何でも話しやがって。そういうのはリーダーである俺に言えよな≫
「ご、ごめんね」
謝っている途中、ヤタカの言葉が頭を回る。
お姉ちゃん、ノアにだけ何でも話してるんだ。
そう言えば、ノアもいつか言ってたっけ。
『もしかして〝あの事〟で悩んでる?』
『ステラの気持ちも、分からなくはないし』
ノアは、お姉ちゃんの気持ちを知っているような話し方だった。つまりお姉ちゃんは、ノアには相談してるんだ。
どうしてノアにだけ?
他の二人じゃダメなの?
「まさか二人は内緒で付き合ってる、とか……?」
仲の良い二人を想像すると、胸の中がチクチク痛む。
ん?なんだろう?
あまり寝られなかったから、体が不調だったりする?
「っていうか、二人のこと気にしてどうするのって話だよね。私には関係ないことだし」