推しにおされて、すすむ恋
「忘れた、じゃなくて、知らないだけ?
ここ一週間、ずっと胡散臭かったんだよね。まるで俺が知ってるステラじゃないみたい」
「か、風邪だったから声がおかしかったのかも!」
「誤魔化すな」
ピシャリと言われ、思わず肩が跳ねる。
リムチ―の言葉から、ただならぬ怒気を感じる!
「ずっとステラのファンだった俺が、本物と偽物の区別がつかないと思ってる?ステラに憧れて動画配信を始めて、やっとのことでNeo‐Flashに入った俺だよ?」
「じゃあ、つまり……生粋のステラファン?」
するとリムチ―は、オレンジの髪が揺れるくらい、大きく頷いた。
そして頬を赤く染め、手には握りこぶしを作り――真っ向から、私に立ち向かう。
「ステラは俺の推し。だからどんな理由があろうとも、推しの偽物を名乗るお前を、
俺は絶対、許さないから」
✧。*