推しにおされて、すすむ恋
「でもステラは悩みがないんだと。最近、俺に当たりが強いから何か怒らせるようなことしたかと思ったけど……杞憂だった。良かったわ、安心したぜ」
「ステラがそう言ったの?」
「悩みはない、だと。あ、でも〝モノマネが上手くなりたい〟って言ってたな」
「……モノマネ、ねぇ」
くすっと、笑みが零れる。
ステラになり切ってるようで、所々〝ゆの〟が出てるのが、見てる側としては面白い。
だけど、次のヤタカの言葉に、笑った顔がピシリと凍りつく。
「でもステラって、もう少し大人っぽくなかったか?見た目も、行動も。
さっきなんて、自分の部屋に俺を入れたぞ?今までのアイツなら〝入ってこないでくれる?〟とか言いそうじゃね?」
「え、部屋に入ったの?」
「無理やり入れられたんだっての。なんか焦った感じでさ、押し込まれた」
「……そう」
ゆのの部屋に、ヤタカが入った。
ということは、部屋の中で二人きりだったって事だ。
「……」
「おい、ノア?どした、怖い顔してんぞ」
「え、怖い顔?してた?」
パンパンと頬を叩く俺を、ヤタカがジト目で見る。