推しにおされて、すすむ恋


「その機材、すごく高そうだね」
「めーっちゃ高かった。お年玉ぜんぶ使ったわ」

「ぜ、全部!?」
「それでも足りなかったから、先五年分のお年玉も前借りしたぞ」


す、すごい……!
ヤタカ、そうまでして機材が欲しかったんだ。

するとヤタカが「俺さ」と、機材を愛おしそうに見つめる。


「満足のいく動画配信をしたいんだ。満足行くモノ撮って、満足いく編集して、満足いく動画にして、たくさんの人に見て欲しいんだよな。
だから……ここまで有名になれたの、嘘みたいに嬉しいんだ。だって俺たち、もう少しで登録者10万人いくんだぜ?」


「信じられねーよな」と、ヤタカが笑う。


「俺一人じゃ絶対できなかった。
だから、お前たちには感謝してんだよ」
「ヤタカ……」


感動して、心臓がキュッと締まる。
仮ステラなのに、泣きそうだ。


「あ、改まって言わないでくれる?寒いなぁ、もう」


憎まれ口を叩くリムチーだけど、頬は赤く染っていて……その色が「ヤタカと同じ気持ちだ」って素直に教えてくれる。

もちろん、ノアも――


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