推しにおされて、すすむ恋
「晴れる未来を信じる。
万が一雨が降っても、他の子たちが代案を思いつく未来を信じる――
心配することも大事だけど、それ以上に、信じることが大事なの」
「信じることが大事……」
叔母さんが頷く。
今の話を聞いていた、他のメンバーも一緒に。
「みんなを信じる……。うん、そうだね」
復唱すると、さっき生まれたわだかまりは、もうなくなっていた。それは私だけじゃなく、皆も同じ。
「不安にさせてごめんな、ステラ。俺たちで案を出すから、ステラは気楽に待ってろよ。お前は、撮影の時にきちんと笑えるよう、リラックスしておけ」
「うん……。ありがとう、ヤタカ」
ヤタカの顔に、もう焦りは浮かんでいない。
冷静で真面目で、頼りになるリーダーの顔だ。
「さっきステラに良い案出されて悔しかったから、今度は俺が出してやるもんね」
「負けず嫌いだなぁ。でもさぁ、ステラ。これは期待できそうだよね?」
パチンと、玲くんがウィンクを飛ばす。同時に「もし案が出なくても怒らないでよ」と、リムチ―が唇をとがらせた。