推しにおされて、すすむ恋
「ま、案が出なかったら出なかったで〝フリートーク〟でいいんじゃね?勉強動画を撮ってる裏話とかさ。リスナーに話したいことって山ほどあるしな」
「この前、珍しくヤタカが遅刻してルームに入った事とかね?」
「それは俺のイメージが崩れるからNGだ!」
「じゃあ、それ代案①ね~」
「なんでだよ!」
アハハ!と、一人の笑い声に、みんながつられる。
わだかまりだけじゃなく、ギスギスした空気もすっかり消え失せた。
「(いつも動画で見る、温かい雰囲気そのものだ)」
そっか。
これが、信じるってことなんだ。
「叔母さん、みんな……ありがとう」
ソファに並びながら、スマホやパソコンで検索し合う三人。その背中に小さくお礼を言った後、叔母さんに「とある事」を提案する。