推しにおされて、すすむ恋

カメラの前にリムチ―だけ置いて、私たち三人はフェードアウトする。「ちょっと心の準備!」とリムチ―が言ってる間に、こっそりスマホを確認した。

あ、お姉ちゃんから返事が来てる。

おねえちゃんの事だから「星空きれい~」とか「お月見団子食べたい~」とか。返事は、そんな感じだろうな。

って、思っていたのに。


【ありがとう、ゆの。
私、ようやく決まったわ】


「……え?」


目に入ったのは、よく分からない文章。

ようやく決まった、って何?
やっぱりお姉ちゃん、何かに迷っていたの?

急いで「何かあった?」と返事を……しようとして。この場に「ワッ」と笑い声が響く。


「り、リムチ―!〝僕と一緒に星になって輝こう〟って。なんだよ、それ!」
「いーじゃん!二人で宝石になろうねってことだよ!」

「いや、余計に分からないよ」
「なんで⁉ロマンの塊じゃん⁉」


膨れっ面で戻ってくるリムチーと交代で、ヤタカから「次はステラな」と名指しされる。

あ、メールの返事……いや、今は配信に集中しなきゃ。終わってから返事を打てばいいんだし!

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