推しにおされて、すすむ恋
「審議ちゅー。今のセリフって恋愛?友情?どっち~?」
「俺は、どっちとも違う響きに聞こえたよ」
「ははーん。さては逃げたな?ステラ」
「えぇ⁉」
すっごく頑張ったのに、そんな反応されるなんて!
今度は私に、ガーンって効果音がつきそう……。
落ち込んでいると、怜くんの黒い瞳が私を向く。
「ステラ、誰のことを思って言ったの?」
「っ!」
二人きりで練習したセリフと、さっきのセリフが違う理由を不思議に思った玲くんが、穴が開くほど私を見ている。
そうなの、実は……。
さっきのセリフ、咄嗟に思いついたの。
この配信を、きっとお姉ちゃんが見てくれてるんじゃないかって思って。今この時を悩んでいるお姉ちゃんは、一人で私の部屋にいる――そう思うと、いてもたってもいられなくなった。
それに、私のファンには女性リスナーもいる。だから必ずしも「恋愛のロマンチック」に限定しなくても良いかな?って。そう思ったの。