恋風撫でる頬
「はい。せいちゃんの背中の模様が、ひとつだけ星型に見えるものがあるそうです」
「えっ! そうなんだ!?」
「その星型を見つけると願いが叶うと言われているんです!」
「あはっ、すげー!」
恭介くんはせいちゃんの背中をじっと見ている。
「美春ちゃんだったらどんな願い事する?」
突然の質問に、私はうーん、と首をひねる。
(恭介くんと両想いになりたいです)
パッと浮かんだ願いを。
まさか、本人に伝えることも出来ず。
「……う、うまく話せるようになりたいです、とか?」
と、誤魔化した。
(日頃から考えている、真剣なお願い事に変わりはないけれど)
恭介くんはせいちゃんの背中から私に視線を移し、
「えっ? 美春ちゃん、話すのうまいけどな」
と、言った。
「えっ!?」
「えっ、そんなに驚く?」
「そんなふうに言われたのは、初めてです」
「へぇー! オレ、そっちのほうが驚きかも」