恋風撫でる頬
すぅすぅと、小さな寝息が聞こえてくる。
(もう寝てる?)
昨日までテストだった、受験生の恭介くん。
きっと遅くまで勉強していて。
疲れているはずなのに。
(それなのに今日、私と会ってくれたんだ)
……嬉しい。
嬉しくて。
心臓が軽快な音楽にのせて、体中に血液を巡らせてくれている。
その証拠に。
私、今。
全身が喜びで満ちている。
(好き……)
好きだよ、恭介くん。
どうしてこんなに、会うたびに好きになっていくんだろう。
私の好きは。
どんどん深くて。
どんどん甘さを増していく気がする。
この想いが、恭介くんに届けばいいのに。
こんなに好きなんだよって。
やっぱり、いつか伝えたい。