恋風撫でる頬

私は、
「うん。ありがとう」
と、もう一度スマートフォンの画面を見た。



「何だったの?」

「放課後、買い物行こうって、誘われたよ」

「えっ!!」
と、優里亜ちゃんが驚きの声をあげて、
「それって放課後デートじゃん。いや、制服デート? ……何でもいいけど、良かったじゃん!」
なんて興奮している。



「……放課後デート!!」

「そうじゃん! いいなぁ、憧れる〜」
と、優里亜ちゃんが私の背中を軽く叩いた。



「……優里亜ちゃん、私、返信送る!」

「うん! ちゃんと行くって連絡しなくちゃね!」



ものすごく嬉しい気持ちで、心がぽかぽかしてきた。



《放課後、楽しみにしています》



恭介くんにメッセージの返事を送ると、すぐに既読がついて、
《迎えに行くから、A高校の校門前で待ってて!》
と、返ってきた。



続けて送られてきたスタンプには、イラストのネコがこちらに手をかざし、『それまでお待ちください』というものだった。



わくわくして。

小さな声で、
「わかりました」
と、呟いた。
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