恋風撫でる頬
第二話
「誰、あの人……」
「かっこよくない?」
……そんな声が聞こえてくる。
恭介くんはかっこいいから、やっぱり目立つんだなぁ。
「美春ちゃん」
と、恭介が私を見つけてくれた。
「お待たせしました」
近づくと、恭介くんはニッコリ笑って、
「放課後に会うの、初めてだね」
と、嬉しそうに言う。
(あぁ、ドキドキする……)
恭介くんに私の心臓の音、バレませんように。
「あれ〜? 恭介?」
と、後ろから声がした。
振り返ると、文化祭の時に助けてくれた、恭介くんの双子の妹さんがいる。
「あれ? あれれ? お邪魔だった、かな?」
ニコニコしている妹さんを見て恭介くんが、
「美春ちゃん、妹の恵。文化祭で会ってるよね?」
と、紹介してくれた。
私は頷き、
「瀬野 美春です」
と、恵さんに頭を下げる。