恋風撫でる頬
「文化祭? あ、そっか。あの時の……」
と、恵さんは言って、
「付き合ってるの?」
なんて、笑顔で尋ねてくる。
「えっ? あの……」
私がモゴモゴしていると、
「あ、ごめん!! 私もデートだから!! 美春ちゃん、恭介のことよろしくね!!」
と、恵さんは走って行ってしまった。
「えっと……あの、はいっ。こちらこそ」
私の返事を聞くより先に、恵さんは走ってバス停のほうへ行ってしまった。
「オレらも行こっか」
と、恭介くんが駅に向かって歩き出す。
「あの、買い物って何を買うんですか?」
好奇心で尋ねてみると、
「うーん、まだわかんない」
と、恭介くんが言う。
「?」
よくわからないけれど、とりあえずお店に行くのかな?
駅の中。
A高生がたくさんいる。
そこにQ高生の恭介くんがいて、しかもイケメンだから、やっぱり注目の的のように感じた。