恋風撫でる頬

「あの子、彼女かな？」

「えっ、まさかー」



聞こえてきた言葉に、私は肩がビクッと震えてしまった。



（私なんかが、隣にいていいのかな？）



不安になってきた時。

恭介くんが私の顔を覗きこんだ。



「！？」

「美春ちゃん、なんか元気ない？」



（えっ、そんなにバレバレ？）



戸惑っていると、恭介くんは私の頭をポンポンと撫でて、
「よしっ、じゃあこれからオレが、元気にしてあげる」
と、ニコニコしてくれる。



「……っ」



恭介くんの顔が間近にあることも。

頭ポンポンも。

何より、恭介くんの言葉に。



私、ときめいて。

不安がサッと消えていった気がした。



（すごいなぁ、恭介くん）



そう思って。

恭介くんを見つめていたら。



（えっ！？）



恭介くんが思いっきり変顔をしている。




「あはっ、あはははっ！！」



思わず笑ってしまった。