恋風撫でる頬
「はい、笑顔を頂きましたー」
と、恭介くんもニッコリ笑う。
(どうしよう)
すごく。
すごく、好きだ!!
恭介くんに連れられてやって来たのは、D駅の駅ビルだった。
ここには洋服や、アクセサリーなどファッション関係のお店が数多くあって。
(恭介くん、何を買うのかな?)
と、思っていると。
「じゃあ、美春ちゃん。何が欲しい?」
「えっ?」
「『えっ』て。美春ちゃんの誕生日プレゼントを買いに来たんだから」
「えっ!?」
(あれ? 私、誕生日が来週って言ってたっけ?)
「そっか。ごめん、説明不足」
と、恭介くんが両手を合わせた。
「映画館でデートした時、学生証提示したでしょ? その時、ちらっと見えたんだ。ごめん、勝手に」
私は「いえ、そんな……」と首を振って、
「それを覚えていてくれたんですか?」
と、思わず聞いてしまった。