恋風撫でる頬
私も満面の笑みで頷く。
「良かった」
と、恭介くんが言った。
「?」
「美春ちゃん、元気になったみたい」
恭介くんはニコニコしていて。
「あのっ」
と、私は恭介くんの制服の裾を掴んだ。
(好きです)
……言いたい。
告白したい。
こんな大きな恋心、抱えきれない。
「どうした?」
恭介くんが少し目を大きくして、驚いている。
(恭介くんに、伝えたいけれど)
……もし。
もしも、この気持ちが迷惑だったら?
嫌がられたり、ウザがられたら?
想いを伝えて、振られたら……。
もう連絡もできなくなる?
恭介くんが、章二くんのように変わらず接してくれるとは、限らないじゃない。
「美春ちゃん、大丈夫?」
恭介くんが心配そうに私を見ている。
「あ、ごめ、ごめんなさい」
「……おっけー、じゃあ、クイズ出すね」
「!? クイズ、ですか?」