恋風撫でる頬
だって。
今までだってそうやって生きてきたんだから。
クリスマスイヴ当日を迎えた。
優里亜ちゃんは、他クラスの男の子と約束をしているらしい。
昨日はふたりで優里亜ちゃんが当日着る洋服選びで、夜遅くまでビデオ通話していた。
《美春も楽しいイヴを過ごしてね》
と、メッセージが来て、
《優里亜ちゃんもね》
なんて、スタンプ付きで返信した。
何もしないまま、夕方。
家でのんびりしていると。
スマートフォンが鳴った。
恭介くんからの着信だったから、私は文字通り飛び上がってスマートフォンを耳に当たる。
「も、もしもし!」
『……美春ちゃん? 今って大丈夫?』
久しぶりの恭介くんの声。
嬉しい。
嬉しくて、私、舞い上がってる。
『……これから会えたりするかな?』
私は考えるより先に、
「はいっ!」
と、返事していた。
『あはっ、すげー良い返事』
電話越しに恭介くんが笑って。
舞い上がった心は、もうずっと高くまでのぼっていっている。