恋風撫でる頬

「あ、これ?」
と、恭介くんがブレスレットを触る。



「オレね、これ、ずっと付けてるよ」



私も腕を出し、
「同じですっ」
と、ブレスレットを見せた。



「そうなんだ? うわー、なんか嬉しいね」

「ずっと付けてます。宝物です」

「あはっ、良かった」



恭介くんが嬉しそうで、私ももっと嬉しくなる。



ふたりでニコニコしていると、会場内にアナウンスが流れた。



『クリスマスの夜、花火のプレゼントです。ご来場のみなさま、どうぞ夜空に浮かぶ素敵なプレゼントを受け取って頂きますよう……』



「あ、花火が始まるって」
と、恭介くんが言って、私達は夜空を見上げた。





…………ヒューーーッ………





ドンッ!!!







大きな打ち上げ花火に、視界の全部がキラキラと輝く。



「キレイだね!」
と、恭介くん。



「はいっ!!」
と返事する私の声が、自分でもわかるくらいに浮かれている。
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