太陽に手を伸ばす少女


《お前が知りたがってる事を教えてやる》


私の知りたがっている事…。
それは、私が一体何者なのか。
何故皆私の事を“ルナ”と呼ぶのか。

記憶がない私に誰も教えてくれない事をこの人は教えてくれるんだろうか。

すると玄関のドアをガンガンッと激しく叩く音が聞こえ慌てて脱衣所を出た。


「久住だ」


聞き慣れた声がして、ドアを開けると言葉通り久住さんが立っていた。


「なんだ、まだ起きてたのか」

「あんな強くドア叩かなくても」

「普通にノックしても出なかったからだろ」

「だって、お風呂に入ろうかと思って」

「あっそ。早く寝ねぇとニキビできっからな」

「なっ、言われなくても寝ますよ!ていうか何しに来たんですか!」


最近私がニキビが出来て悩んでるの知ってるくせに!
ニヤニヤと笑う久住さんを思い切り睨んだ。


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