太陽に手を伸ばす少女
電話を繋げたまま、部屋を出た。
いや、居るはずだ。
流石に出て行くのはすぐに見つかる。
口酸っぱくあんなに注意して言ったから出て行くにしても知らせが来るはずだ。
コンコンコン、とドアをノックした。
「ツキ!」
返事がない。
いや、寝ているのだ。返事がなくて当然だ。
ただその寝姿さえ確認出来たらいい。
合鍵で鍵を開け、離れの中に入った。
「……おい、縹」
『はい』
「今すぐツキの居場所を突き止めろ」
『っ、クソッ』
どちらからともなく切った電話。
玄関で見張っている奴らの胸ぐらを掴む。
「おい、ここ誰か通ったか」
「へっ、し、知りませんっ!俺らずっとここに居たけど、」
「ほんとです、ほんとにっ、」
どうしたってこんな事が起きるんだよ。
屋敷に戻り兼本の部屋へと向かい、アホ面で眠っている顔を思い切り叩いた。
「いって!!!???何っすか!!」
「起きろ。ツキが居なくなった、お前も探せ」
「……えっ!?ルナさん居なくなったって、どういう!」
「知るかよ探せ!!!」
「はっ、はい!!」