太陽に手を伸ばす少女
#3
メガミサマ
「────っ!!……─────ろ!」
何処だろう。どこか、遠い所から声が聞こえる。
怒鳴っているような、そんな叫び声に似た声。
…それよりも頭が割れるほど痛い。
一体何が……。
うっすらと目を開くと私の目の前には誰かが居た。
そこで初めて自分が横になっている事に気付いた。
霞んで見えないのは多分意識がまだ朦朧としているのか、時折聞こえてくる声は蒼井さんのものだと分かった。
「お前自分が何やったのか分かってんのか」
蒼井さん、そう呼ぼうとしても声が出ない。
手を伸ばそうとしても動かなかった。
「…ってるよ?分かってるに決まってんじゃん」
「はぁ?」
「いい加減そこ退いてよ。いくらお前でも邪魔するならお前も殺すよ?」
「その前に俺がお前を殺す」
「はぁ……。その子はもう“ルナちゃん”じゃないんだよ?僕らに必要ないでしょ?」
蒼井さんと、確か湯江真央というあの男の子だ。