太陽に手を伸ばす少女
▷▷▷


「ぅ、は、…はぁっ、」


記憶喪失だからと油断していたのか、手足は拘束されていなかった。
未だ痛む頭を押さえ、ゆっくりと体を起こし立ち上がる。

真央の視線が私の動きに合わせてゆっくり動くのが分かった。


「ぇ、……ルナ、ちゃん?」


目を見開き、銃口を向けるその手が少しだけ緩んだ。

それにしてもなんてザマだ。
信頼して可愛がっていたつもりの奴にこんなにいとも簡単に裏切られるなんて。

…あぁ、本当に私は見る目がないな。
どうやらあの時の男が言っていた事は本当のようだった。

誰が敵で、誰が味方か。
私もまだまだ…、だな。


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