太陽に手を伸ばす少女


「ガッ、」

「あぁ待って、ルナさん。手を離してあげてください」

「どうして?」

「コイツは俺の仇なんですよ」

「……」

「この男、俺が意識を失ってる間に俺の、……っ、俺の女を!!!」


胸ぐらを勢いよく掴み、いきなりの事でルナの手が離れた。


「グッ、ふふふっ、あははははっ」

「てめぇ何笑ってんだよ」

「そ、でもない女だったな?」

「弥生」

「っ、あの時俺の事脅して、女だけは手を出さないって約束したのにっ!!」

「約束は破る為にあるんだよ?弥生」

「この男は無理矢理俺の女犯してっ、死なせたんですよ!!!」


ルナが姿を消した後、俺らの中に噂が流れた。

弥生に女ができ、この世界から抜ける為にルナに掛け合ったら反対され歯向かった代償でこうなったんだと。

真央から脅されていたとはいえ、幼稚で馬鹿馬鹿しい計画であのルナに勝てるわけがないだろう。

そんな事、ルナの近くに居た弥生なら分かっているはずなのに相当追い詰められていたんだろう。


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