太陽に手を伸ばす少女
「ふふっ、うん。分かった」
「ルナの部屋、ちゃんと定期的に掃除してたから綺麗に残ってる」
「ありがとう」
倉庫の外に居た久住達が抱き締め合う私達を見て激怒している。
飛び散った血を見ても何とも思わない。
人が苦しそうな顔をしていても何とも思わない。
例え帰る道中で人が倒れていても私はそのまま素通りするだろう。
……やっぱり私はこちら側の人間で、太陽の下をのうのうと歩くような事はきっと許されない。
─────『羽宮は俺が守るから』
私は守られるような人間じゃない。
守られるほど弱くもない。
「ルナ?車用意出来てるけど、行かねぇの?」
「行くよ」