太陽に手を伸ばす少女
#4
タイヨウ
段々と肌寒くなってきて、気付いたら10月中旬になっていた。
と言っても肌寒いのは朝晩だけで、日中はまだ半袖が必要になる日が多い。
……そして、羽宮が学校に来なくなって2ヶ月以上が経とうとしていた。
最初はたまたまかと思っていた。
3日経っても、1週間経っても来る気配がない。
いつも羽宮から駆け寄って来てくれていたから今更俺が行くのも恥ずかしくて行けなかった。
…もしかして、俺の事が嫌になったのか。
HR終わりの教室に久しぶりに行き、羽宮の姿を探す。
「…なぁ」
「えっ」
「羽宮って来てねぇの?」
「羽宮さんなら、ずっと休んでるけど…」
近くにいた眼鏡の女からそう言われて心配になった。
どちらかと言えば真面目だったあいつが急に学校に来なくなったのは少し可笑しかったからだ。
クソっ、なんで連絡先交換してねぇんだよ俺は。
…マンションに行ってみるか。
そしたらあの男がいるかもしれないし、何か聞けるかもしれない。