太陽に手を伸ばす少女


「…写真が送られてきたんだ」

「お兄さんの?」

「兄貴が、血だらけになった写真が、」

「……」

「っ、無事ならそれでいいんだ!!それだけ知れればいいんだよ!!兄貴が、死んでるなんて、そんな…」

「……それ、いつ頃送られてきたの?」

「この間、確か羽宮がここに来るちょっと前だった気がする」

「写真はどんな写真だったんだよ」

「えっと、頭から血流してて…。雨降ってたのかめちゃくちゃ濡れてたな…」

「お前の兄貴が帰って来なくなったのは」

「俺が、中1の時…」


2人は顔を見合わせた後、ぷッと羽宮が吹き出し男は何か考え込むように顔を顰めた。


「それで私達と一緒になりたいと」

「お前らだったらこんな情報を集めるのなんか簡単だろっ!?」

「あんたと一緒になって私達に何のメリットがあんの?」


喧嘩も弱く、何の意味があるのか。
俺にはきっと何も出来ない。


「お前の、言う事ならなんでも聞くから!」

「ふぅん。じゃあ、今すぐ死んでよ」

「はっ、」

「こっちでお兄さんの事調べといてあげるから、死んで?」


夜烏の頭を知っている人はいないに等しい。
それは、知られたら1人残さず殺すからだ。

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