太陽に手を伸ばす少女


「おつかれ。調子はどうだ?」

「…茶化しに来たんですか」

「つれねぇな。ルナがいないとほんとにお前は無愛想だな」

「ルナさん以外に振りまく愛想なんて俺にはありません」

「そうかいそうかい」


何しに来たのだ。
叫びながら真央を切り付ける浅田を見て「おぉっほ、すっげぇストリップかよ」とケラケラ笑っている。


「俺のおかげで、こうして復讐出来てんだろ?」

「……」


…あの日、突然縹から連絡が来た。


『ちょっとお前に頼みたい事があんだけど』

「はぁ?なんで俺が、貴方の言う事を聞かないといけないんですか」

『いずれルナを救う事にも繋がると思うんだけどなぁ。……どうする?』


それは真央にルナの居場所を匿名で教えろというものだった。
こっちは頭を煉瓦でぶん殴られ大変な目にあったというのに、こいつは平気で俺をパシろうとする。
…いっそ殺してやろうか。

しかしそれが出来ないのも分かっているから、大人しく従う他ない。

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